【13話】 素晴らしき日々
1993年の秋、僕はファミレスでバイトを始めた。バブルはもう、崩壊して世の中は暗い話題も多かったけど、僕は一応は青春を謳歌していたように思う。

* 解説ブログ「20世紀少年」

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当時、NHKで「素晴らしき日々」という海外ドラマが放送されていて、そのオープニングテーマ曲にビートルズの「With a Little Help from My Friends」をカバーしたジョー・コッカーの曲が使われていた。



そのジョー・コッカーのヴァージョンの方の渋いイントロがいきなり、第2音楽室に鳴り響いた。



たしか、それを聴いた瞬間、僕はちょっとニヤリとしたと思う。


演奏者が多いので、それが良い方に作用して、まるでプログレバンドみたいに重厚なサウンドが僕らを包んだ。


するとセンターでマイクを握った小野正利みたいな髪型のごついガタイの小柄な先輩が、ジョー・コッカーばりに驚異的な声量で歌い始めた。


サイドに他に2つマイクがあって、そこにゴスペル隊みたいに他の演奏してる先輩とかも顔を寄せてコーラスに加わって、かなりテンションもあがっていた様子だったけど、小野先輩のテンションが一番高くて、胸を突き出して両手をバタバタと掻いたりするアクションも大きくなっていった。


ふと女部長の方をみると、瞑想してるように目をつぶって、オルガンの和音を弾いて顔を左右に揺すっていた。
こちらも完全に入っている様子だった。


他の先輩方も完全に自分の世界だった。



最初はブルーハーツとかユニコーンとかのカバーを素人の下手な演奏とカラオケ・レベルのヴォーカルで聴かされるんだろうなと勝手に覚悟してたけど、予想外の選曲とクオリティーに驚いたのだった。

でも、僕はすぐにそんな勝手な頭の中の評論なんてどっかにいってしまい、口をあんぐりと開けて先輩たちの素敵なライブパフォーマンスに引き込まれたのであった。


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